2008年03月29日

イラク政府軍のバスラ攻略失敗鮮明に

3月29日20時5分配信 産経新聞より

【カイロ=村上大介】イラクのマリキ政権が南部バスラで開始したイスラム教シーア派民兵に対する掃討作戦は29日、5日目に入り、イラク政府軍の威信をかけた「単独作戦」の失敗が鮮明となりつつある。米軍は29日も前日に続き、空爆、昨年12月にバスラの治安権限をイラク側に移譲した英軍も作戦・情報面で政府軍への支援を開始した。しかし、民兵側は依然、バスラ中心部を支配下に置き、戦闘は中南部シーア派地域に広がっている。治安能力の限界を露呈したマリキ政権が自力で争乱を収拾できる可能性は少ないとみられる。

 政府軍は25日、イラク第2の都市、バスラのかなりの部分を支配下に置くシーア派の反米強硬派指導者、ムクタダ・サドル師派の民兵組織マフディー軍の影響力排除を目的に掃討作戦に着手。だが、マフディー軍側は予想以上に強固な抵抗を見せ、マリキ首相は28日、「同日深夜まで」とした民兵側への武装解除の最後通告期限を4月8日まで延期せざるを得なかった。

 バスラ攻略戦への関与を控えていた米軍は28日、戦闘機による限定的な空爆で直接介入に踏み切り、民兵に押され気味の政府軍の支援を始めた。イラクのジャーシム国防相は28日の記者会見で、「抵抗の強さに驚いている」と認めた。
マリキ首相は27日、バスラの部族長を集め、「無法者とは最後まで戦う。話し合いも交渉もしない」と言明。これに対しサドル師側は「平和的解決を望む」としているが、徹底抗戦を続ける構えで、武装解除に応じる気配は全くない。

 マリキ政権がこの時期にバスラ攻略に踏み切ったのは、マフティー軍内部の「分裂」が今月伝えられたことなどから、サドル師派弱体化の好機とみた可能性が強い。しかし、逆に各地のサドル師支持者の結束を強め、政府側の読みの甘さを露呈した。

 首相は「政府が国を治めていることを知らしめる」とも語っており、その大義は正当だが、実情を見れば、シーア派社会内部からは、同派主導のマリキ政権の最大勢力で、サドル師派と中南部の主導権を争うイラク・イスラム最高評議会(SIIC)の権力闘争としか映らない。SIICの民兵組織バドル軍団は一足先に解体し、中南部を中心とした政府治安部隊の中枢に入り込んでいるからだ。

 イラクの人口の過半数を占めるシーア派は、「民主的手続き」で手にした権力を手放さないために最後は一枚岩になるとの見方が有力だったが、今回の戦闘拡大は、シーア派内部に修復不能な亀裂を生じさせる可能性がきわめて大きい。
posted by 宝島S at 15:56| ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 他ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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