2011年07月01日

【U-17】「日本はまるでバルサ」史上最高のチームがブラジルに挑む

スポルティーバ 7月1日(金)12時44分配信

 メキシコのサッカーファンの目は厳しい。17歳以下の若い選手たちによる大会であろうと、つまらない試合をすれば、容赦なくブーイングを浴びせる。

 だが、その一方で、彼らを納得させるサッカーを見せることができれば、大声援で後押ししてもらえるということでもある。

「ハーポン、ハーポン!」

 この日、試合中に何度となくスタンドから起きた「ハポン(スペイン語で日本)・コール」は、日本のサッカーがメキシコの人々の心を、がっちりとつかんでいることを意味していた。

 U−17ワールドカップの決勝トーナメント1回戦で、日本がニュージーランドを破り、準々決勝に進出した。スタンドの「ハポン・コール」に乗せられた日本が、6対0の圧勝だった。

 日本のサッカーがメキシコの人々の心をつかんでいる理由は、パスを主体とした圧倒的なボールポゼッションにある。自分たちでボールを持ち、常に主導権を握って攻撃し続ける。そんな姿勢が、地元のファンを魅了するのだ。地元メキシコのテレビ中継のなかでは、こんな実況まであったという。

「このチームは、まるでバルセロナですね」

 バランスよくピッチ上に配置された選手がテンポよくパスを回し、次々に相手ディフェンスを崩していく様は、かのヨーロッパクラブ王者に重ね合わされた。

 プレイしている選手たちにとっても、これはうれしい評価に違いない。というのも、その言葉は日本が目指しているところを、まさに言い当てていたからだ。MF石毛秀樹が言う。

「ミーティングのときに参考にしている映像は、ほとんどがバルサやスペイン代表のもの。自分もイニエスタをイメージしてプレイしています」

 試合後は、ニュージーランドのマックファーランド監督からもこんな賛辞が聞かれた。

「日本には、おめでとうと言いたい。美しく、かつ機能的なゲームだった」

 マックファーランド監督は、日本のグループリーグでの戦いを分析し、「ボールポゼッションをして攻め込んでくることは分かっていた」という。それでも、なす術なく失点を重ねるしかなかった。

 試合後の吉武監督には、地元記者から「優勝候補と呼んでもいいのではないか」との質問まで投げかけられた。贔屓目(ひいきめ)を抜きにして、今の日本は、明らかにダークホースの域を超えた立場に立っている。

 たしかに、ニュージーランド戦では、石毛のクロスがそのままゴールに吸い込まれて先制点になるなど、日本には運もあった。だが、それがなければ、試合はどうなっていたか分からないというほど、両者の力は接近してはいなかった。日本は勝つべくして勝ち、堂々とベスト8に進出したのである。

 この大会での日本のベスト8進出は、日本で開かれた93年大会以来、18年ぶり。世代別世界大会(U−17ワールドカップ、U−20ワールドカップ、五輪)全体でも、U−20の03年大会以来のことだ。

 しかも、今大会は、グループリーグも2勝1分けの無敗で勝ち上がってきた。過去、世代別世界大会で日本がベスト8以上に進出したことは、計6回(U−17が1回、U−20が4回、五輪が1回)あるが、無敗でベスト8までたどり着いたのは、史上初だ。

 いよいよ次は、この世代初となるベスト4進出がかかった準々決勝。しかも、相手はブラジル。申し分ない舞台と役者が用意された。シナリオはもちろん、「王者ブラジルを倒してベスト4」である。

 吉武監督は「ブラジルに勝つ確率は1〜2%。胸を借りるつもりで戦う」と、謙虚に話す。

 しかし、今大会に限って言えば、「ブラジル=強者、日本=弱者」の図式は成り立たない。世代を問わず、日本がブラジルに挑む試合を数多く見てきたが、これほど日本が自信を持って臨める試合を、私は過去に知らない。
posted by 宝島S at 17:06| 神奈川 ☁| ニュース(スポーツ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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