2009年11月28日

終わった?“ドバイの夢” 投機マネー流出、砂上の楼閣は…

11月28日7時57分配信 産経新聞

 【ロンドン=木村正人】世界の投機マネーを吸い上げて現代の摩天楼を築いてきた「ドバイの夢」がとん挫した。昨年秋の金融危機以降、資金流出が続いていたアラブ首長国連邦(UAE)のドバイ首長国政府系企業による債務支払い猶予要請は中東だけでなく国際市場に衝撃を広げた。石油収入に依存せず壮大なリゾート開発構想で外資と外国人労働者を集めたドバイへの期待は金融バブルの崩壊とともに不信へと転じた。

 現地からの報道では、ドバイ首長国政府は25日、UAE内の“長兄”にあたるアブダビ首長国の2銀行から50億ドルの資金を調達したと発表したわずか2時間後、政府系持ち株会社ドバイ・ワールドと関連不動産開発会社ナキールの債務支払いを半年間猶予するよう債権者に求める方針を明らかにした。 債務総額すらはっきりせず、英紙フィナンシャル・タイムズはドバイ・ワールドの債務は220億ドル、英BBC放送はドバイ・ワールドとナキールで計590億ドルと伝えた。ナキールは来月に35億ドルの返済を迫られており、資金繰りがつかず、支払い猶予を要請したとみられている。

 コバルトブルーの海面に浮かぶ人工島「パーム・ジュメイラ」。ヤシの木(パーム)を模し、左右に葉が広がる形をした世界最大級の人工リゾートは、東京ドーム120個分の海を埋め立てて造成された。

 ドバイ沖合にはこうした豪華な人工島リゾートが次々と築かれ、最盛期にはドバイに世界の大型クレーンの2割が集まったといわれる。その多くを手掛けたナキールはまさに、砂漠に突如として現れた「ドバイの夢」の象徴だった。ドバイ・ワールドも豪華客船クイーン・エリザベス2世号や世界の有名スキー場やゴルフ場を買いあさった。

 しかし、金融危機で世界最高層の「ナキール・タワー」(尖塔(せんとう)高1400メートル)の建設工事も今年1月、1年間凍結された。

 ドバイの産油量は1日約10万バレル。国内総生産(GDP)の2%相当だ。それも近い将来枯渇するため、ドバイは1980年代から石油に頼らず、欧州、アジア、アフリカの金融・貿易センターと観光都市を目指す戦略を掲げた。世界から5500を超す企業が集まり、国際金融センターの一角に食い込む急成長を遂げた。

 その一方で、ドバイの債務総額は約800億ドル、実際は倍の1600億ドルという見方も出ており、金融危機で不動産価格は半減し、投機マネーが流出し資金繰りが急激に悪化していた。

 UAE首相も兼ねるムハンマド・ビン・ラシド・マクトム・ドバイ首長は、ドバイ経済近代化を進めた中心人物で、先週末からドバイ経済の中枢を占めてきた側近4人を更迭するなど危機感を強めていた。

 突然の債務支払い猶予要請で世界に衝撃を広げた同氏の真意は不明だが、フィナンシャル・タイムズ紙は「基本的な情報も開示されておらず、ドバイ経済は透明性を欠いている」と批判している。
posted by 宝島S at 22:31| ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース(経済) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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